ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 組織でさがす > 教育委員会 > SAGA2024国スポ・全障スポ 相撲豆知識(12)

SAGA2024国スポ・全障スポ 相撲豆知識(12)

印刷用ページを表示する更新日:2023年5月1日更新

今回は、前回に引き続き相撲の所作についてご紹介します。

まず「清(きよ)めの水」からご説明します。前の相撲で勝った力士等が次に取り組む力士に柄杓(ひしゃく)の水を指し出し、それを受けて口を清めるという所作があります。この水のことを「清めの水」といい、別名「力水(ちからみず)」ともいいます。神社にお参りするときの水場(みずば)で手と口を清める所作が相撲にも取り入れられています。

清めの水

土俵に上がった力士に水を差し出すことを「水をつける」といいます。それができるのは、直前の試合で勝った力士か土俵下で自身の取組を待っている力士だけで、負けた力士はできないことになっています。                     

結(むす)びの一番(最後の一番)の場合、次に相撲を取る力士はいません。結びの前の前の取組で勝った力士は、「勝ち残り」と言って結び前の力士に水をつけた後土俵下の控えに残っておきます。そして、同じ方の力士が負けた場合に結びの力士にも水をつけます。しかし、結びの一番の前も、またその前も負けた方では、結びの一番で取る力士には水を付けられる力士がいなくなります。その場合、その結びでとる力士の付(つ)け人(びと)(花道(はなみち)奥で控えている幕下以下の力士)が水をつけることになります。

※花道とは、力士が入場する通路

こういった状況をテレビで見かけたことがある方もおられると思いますが、幕下以下の力士は浴衣(ゆかた)の片袖を脱いで行います。ではなぜ片袖脱ぐかと申しますと、片袖脱ぐのは「一肌(ひとはだ)脱ぐ」ということで、「一肌脱ぐ」を辞書で調べたら「あなたに協力する、応援する」ということから、「頑張って」という意味を込めて片袖を脱いで水をつけるわけです。

 次に「勝(か)ち名乗(なの)り」です。この勝ち名乗りを受けて初めて勝ちが決定されます。勝負が終われば行司は必ずどちらかの力士に軍配を上げなければなりません。その軍配に異議があれば審判員が手を挙げて物言(ものい)い(アマチュア相撲では「異議の申し立て」という。)をつけて協議します。その結果で勝敗が決定されますが、たとえそれが誤審であったとしても当該審判団の決定が正式判定となります。その判定に従って行司は勝ち名乗りを挙げますが、挙げた後ではいかなる場合でも判定が覆ることはありません。

勝ち名乗り

勝ち名乗りを受け懸賞を受け取る際「手刀(てがたな)を切る」という所作が入ります。右手を手刀して軍配に向かって左・右・中央の順に手を上下させる所作で、神様に感謝する礼儀であるとされています。

このように、相撲の所作にも神様とのつながりや関わり等が随所に見られ、相撲は、昔から神様といかに近しい存在であったかを感じることができるスポーツといえます。