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SAGA2024国スポ・全障スポ 相撲豆知識(3)
今回は、十両と幕内の中の前頭の階級についてご紹介します。
まず、十両です。熾烈(しれつ)な戦いを勝ち抜いて晴れて十両となれば、親方とともに昇進会見を開くことができます。これまで本名で相撲を取っていた者でもこれを機会に「しこ名」を改める者も多く、まわりからも関取と呼ばれ一人前として扱われます。
待遇面も幕下以下とは雲泥の差で、毎月給料(約110万円)が支給されます。付人や個室が与えられ、身に着ける衣服まで変わります。まわしも木綿から絹に変わります。稽古場でも幕下以下は黒まわしですが、十両以上になると色まわしとなり、だれが見ても関取とわかるようになります。
力士にとって一番うれしいのは、「大銀杏(おおいちょう)」が結え、母校や後援会から「化粧まわし」が贈られることです。その化粧まわしを締め、晴れの「土俵入り」を披露します。
江戸時代には、この地位は存在せず、幕下上位10枚目までが後に十両と呼ばれるようになりました。そのため十両の正式名称は現在でも「十枚目」と呼んでいます。
十両の上は幕内です。幕内とは、横綱、大関、関脇、小結、前頭の5段階の総幕内称のことで、定員42名です。幕内力士ともなれば、人気や実力を兼ね備えた大相撲の「花形力士」となり、懸賞金がかかるのも幕内からとなります。ちなみに懸賞金は1本につき7万円で、積立金や手数料を差し引いて土俵上で受け取るのは3万円です。中には、「大一番」というときに懸賞が50本ほどかかることがありますが、実に150万を受け取ることになります。また、この42名の力士たちで幕内最高優勝を争い、優勝すると天皇賜杯(しはい)、優勝旗、優勝賞金1000万円が授与されます。さらに優勝額が贈呈されて、5年余りにわたって国技館に掲額されます。
次に、前頭です。前頭は、横綱、大関、関脇、小結以外の幕内力士を指します。前頭で最も順位が上の者を前頭筆頭と呼び、以下前頭二枚目、三枚目と続きます。「前頭」という名前は何の役職もない幕内力士という意味で「平幕」とも呼ばれています。前頭の力士(平幕力士)が横綱を破ることを「金星を挙げる」と言われ、金星1個につき4万円が場所ごとに支給され現役引退まで続きます。中には金星獲得数が8個という者もいて、力士にとってはちょっとしたボーナスとなります。
次回は小結、関脇、大関についてご紹介します。
東 | 西 |
---|---|
横綱 | 横綱 |
大関 | 大関 |
関脇 | 関脇 |
小結 | 小結 |
前頭 | 前頭 |
十両 | 十両 |
幕下 | 幕下 |
三段目 | 三段目 |
序二段 | 序二段 |
序の口 | 序の口 |