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SAGA2024国スポ・全障スポ 相撲豆知識(27)

印刷用ページを表示する更新日:2024年8月2日更新

大相撲のテレビ放送で、「制限時間いっぱい」という言葉をよく耳にします。力士は、「制限時間いっぱい」を迎えると取組を開始します。では、「制限時間」とは何かをご説明します。

待ったなし

時間いっぱい、待ったなし!

 

呼出しが力士の名前を呼び上げてから相撲を取るまでの時間を「制限時間」といい、幕下以下が2分、十両が3分、幕内では4分とあらかじめ決められています。

時間を計るのは、勝負審判の一人である時間係審判が行い、呼出しが東西の両力士を呼び上げたところから計測を開始します。制限時間内であれば「待った」はできますが、決められた時間つまり制限時間いっぱいとなると「待った」は許されません。

時間になると時計係審判が行司に合図を送り、それを見て力士は気合を入れ直します。行司は、「時間です。待ったなし」などの言葉をかけながら軍配(ぐんばい)を返し(※)力士に「立合い」を促します。観客としては一気にボルテージが上がる瞬間です。

※軍配(ぐんばい)を返す…行司は「制限時間いっぱい」となったときに、土俵に対して水平に構えていた軍配を、自分の体に寄せるように立てて構えます。この時軍配の裏面が見えるようになることを「軍配が返る」といいます。テレビ放送等で、アナウンサーが時間いっぱいを知らせる場合、「軍配が返りました。」という言い方をするときもあります。

相撲という競技は、両力士の呼吸が一致したと行司が判断したときに、「はっけよい」の掛け声を発し試合が始まります。つまり、両力士の呼吸の一致がないことには、行司は掛け声をかけられません。両力士の呼吸が一致し、行司がそれに合わせることで初めていい「立合い」が成立するのです。どちらかというと力士が主導権を握っています。

昔は、立合いには制限時間がなく、延々と仕切りを繰り返し、なかなか相撲を取らない時代もありました。制限時間が導入されたのは昭和初期のことで、相撲の実況中継がラジオ放送で始まり、それに合わせるために設定されたものだそうです。

本来、相撲は制限時間いっぱいの前であっても、両力士の戦おうとする気持ちが最高潮になり、気が一致すれば、自由に取組を開始してよいことになっています。つまり、制限時間内であれば、いつ取組を開始してもいいし、「待った」しても構わないということになります。但し、制限時間いっぱいとなれば、もう「待った」はできませんよということです。

力士は、あらかじめ取組に臨む前に作戦を考えてきますが、制限時間内の仕切りの間に、相手の所作等を見ながら作戦を変更する場合もあり思案の時間ともなります。

我々相撲ファンとしては、この仕切りの時間は、どちらが勝つかどんな相撲になるか、わくわくドキドキしながら想像する時間でもあり、これも相撲の醍醐味のひとつではないかと思います。