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SAGA2024国スポ・全障スポ 相撲豆知識(19)

印刷用ページを表示する更新日:2023年12月1日更新

 相撲の決まり手の中に特殊技というのがあり、その中に打っ棄(うっちゃ)りという大技があります。土俵際に寄り詰められ絶対絶命のピンチのときに、体を反って相手の体を腰にのせ、左右のどちらかにひねるように土俵の外に投げ捨てる大逆転の大技です。

 よく使われる吊り出しも特殊技の一つです。両廻しをひきつけ、腰を入れて相手の正面から体を吊り上げて土俵の外に出す技です。完全に相手を吊り上げ、土俵面から相手の脚が浮いた状態でそのまま土俵の外に出すので安全な決まり手となります。昔(昭和30年代)の力士で、大鵬キラーと異名を持つ明武谷(みょうぶだに)が得意としていた決まり手です。

吊りだし

   吊り出し

 送り出しという決まり手があります。日常会話では人を世に出すとき等によく使いますが、相撲では相手の背中を押して土俵の外に出す決まり手で、相手が倒れれば送り倒しとなります。

 呼び戻しという大技があります。初代横綱若乃花(わかのはな)が得意としていた技で、相手の体を懐に呼び込んで、反動をつけるように差し手を返し前に突き付けて相手を倒す別名「仏壇返(ぶつだんがえ)し」とも呼ばれ、地力の差がなければ簡単に決まるものではない豪快な技となります。

 極め出しという技もあります。相手の差し手、首、肩の関節を極(き)めて動きを封じ、そのまま土俵の外に出す技で、大型の力士がよく使う手です。ちなみに「閂(かんぬき)」という言葉も相撲の手としてよく使いますが、相手の両腕の関節を締め付けることを指します。この「閂」自体は決まり手ではなく、この状態で相手を土俵の外に出せは「極め出し」、相手が倒れれば「極め倒し」となります。

※「閂」とは、門の扉を内側から開かないように差し込む横木のこと。

極め出し

    極め出し

 決まり手の中で、自分の落ち度によって勝負か決まる場合があります。これらを非技(ひぎ)(勝負結果)として分類します。よくあるのが勇み足です。相手を土俵際に追い詰めながら、勢い余って相手が土俵の外に出るより早く自分の足が先に出てしまい、相手に勝ち星を与えてしまうときの決まり手です。この「勇み足」という言葉は、日常の生活の中で勢い余って失敗したときによく使われる言葉です。

 また、相手の力が加わらない状態で、思わず自分の足が土俵の外に出た場合は踏み出し、自分から体勢を崩して腰から落ちて負ける場合は腰砕(こしくだ)け、バランスを崩して思わず手をついてしまったときはつき手、膝をついたときはつき膝という決まり手となります。