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SAGA2024国スポ・全障スポ 相撲豆知識(18)
始めに、相撲の決まり手の中の掛け技についてご説明します。自分の足を相手の足の内側から絡めて後ろに倒す内掛けと、外側からかけて倒す外掛けが有名です。昔(昭和30年代)の大関琴ケ浜(ことがはま)は内掛けの名人と謳(うた)われ、四つに組んだら必ずといっていいほど内掛けで相手を倒していました。
外掛け
めったに見られないのが三所攻(みところせ)めという技です。相手の懐(ふところ)に入り、片方の足で相手の片足を内掛けまたは外掛けで攻め、もう片方の相手の足を手ですくい、相手の胸を頭や肩で押して倒す大技で、三か所同時に攻めるのでこの名が付きました。小兵の舞の海(まいのうみ)が大きな曙(あけぼの)を倒した一番は有名です。
反り技も6つほどありますが、その代表に居反(いぞ)りがあります。上からのしかかってきた相手の懐に潜り込み、両手で相手の両膝裏などを取って持ち上げ、自分の後ろに反り投げる珍しい技です。幕内の宇良(うら)あたりがたまに使う大技です。また、河津掛(かわづが)けという大技は、自分の片方の足を相手の足に巻き付けて足の甲を使って自分の後方に倒す大技です。
この反り技や河津掛けといった技は、非常に危険が伴うため、アマチュア相撲の小、中学生の競技会については「禁じ技」として規定されています。
※禁じ技=危険防止のために、特に小・中学生のすべての競技会に設けられたもので、その技を使用した場合は取り直しや負けとなる措置がとられる。
次に捻(ひね)り技を紹介します。捻り技は19の決まり手があり、中でも突き落とし、上手捻(うわてひね)り、肩透(かたす)かし等がよく使われる技です。
突き落としは、片手を相手の腋(わき)にあて、背中などを強く突いて斜め下に落とす技です。土俵際に追い詰められた力士が苦し紛れに使う場合が多く、逆転の大技となります。
上手捻りは、上手から廻しを引き、その廻しを手前にひねって相手を倒す技です。肩透かしは、差し手を相手の腋に引っ掛け体を開きながら前に引き、もう一方の手で相手の肩付近をはたいて倒す技で、相手の力を利用するためかなり高度な技術を要する決まり手です。今売り出し中の翠富士(みどりふじ)が得意としています。
珍しい決まり手に徳利投(とっくりな)げがあります。相手の首や顔を両手で挟んでひねり倒す技です。日本酒をお猪口(ちょこ)に入れる徳利を持つ際に、徳利の首をつまむことに由来されており、おもしろい名前が付けられています。
徳利投げ