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SAGA2024国スポ・障スポ 相撲豆知識(16)
相撲には決まり手というのがあり、仕掛けた力士によって勝ちが決まった時の技の技のことを決まり手と呼びます。昔(江戸時代以前)は、土俵の俵がなかったこともあり、相手を土俵の外に出す技(押し出し、寄り切り等)はなく48手でした。ただ、俗に「四十八手(しじゅうはって)」といえば相撲の決まり手として広く日常会話でも使われる言葉でもあります。
現在は、82手(基本技7手、投げ技13手、掛け技18手、反り技6手、捻り技19手、特殊技19手)になりました。基本としてはこの決まり手で勝負がつくものですが、負けた力士の落ち度によって勝負がついてしまうような「非技(ひぎ)」といわれる勝負結果(勇み足、腰砕け等)が5つあり、計の87手が決まり手として認定されています。
さらに「禁じ手」という規定があり、それを使った場合は反則負けとなります。
禁じ手
1.握り拳(こぶし)で殴(なぐ)ること
2.胸部、腹部等を蹴(け)ること
3.目、みぞおち等の急所を突くこと
4.頭髪をつかむこと
5.咽喉(のど)をつかむこと
6.噛(か)むこと
7.相手の指を持って折り返すこと
8.前立褌(まえたてみつ)をつかんだり、手を入れて引くこと
※前立褌とは、廻しの体の正面で縦になった部分(前袋ともいう。)のこと
この「決まり手」、「非技」、「反則負け」といった規定は、公益財団法人日本相撲協会が定めて使用しているものですが、アマチュア相撲でも取り入れられほとんど同じです。ただ、「張り手(はりて)」は大相撲では反則ではなく、アマチュア相撲だけが反則行為となります。
相撲の手に「張り手」とよく似ている「突っ張り」というのがあります。相手の胸などを両手でついて自分の有利な体制に導く手としてよく使われるものですが、これは反則ではありません。では「突っ張り」と「張り手」でどこが違うのかを説明しますと、手を自分の肩幅より横から顔などを張るのが「張り手」で、肩幅内でまっすぐ前に相手の胸付近を突くのが「突っ張り」となります。ちょっとしたことで反則か否かが分かれます。
次回からはそれぞれの決まり手について解説します。お楽しみに!