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SAGA2024国スポ・全障スポ 相撲豆知識(14)

印刷用ページを表示する更新日:2023年7月1日更新

 ​今回は、一般の日常会話でよく使われている相撲由来の言葉についてご紹介します。

 まず勇(いさ)み足です。相撲の場合、相手を土俵際まで追い詰めながら、勢い余って自分の足が相手より先に土俵の外に出て負ける場合の決まり手が勇み足です。普段の生活の中でも、熱心さゆえにやり過ぎたり気持ちが焦って失敗したりするときに使う言葉です。

ぶつかり稽古

 次は大一番(おおいちばん)です。例えば、この勝負に勝てば優勝という大事な取組みの場合を「大一番」といいますが、仕事や他のスポーツでも、乗るかそるかという大事なときによく使われます。

 次は押しです。相撲の基本は何といっても押しです。「押せば押せ、引かば押せ」という名文句があるように、相手が押してきたら押し返し、相手が引いたらそれに乗じて押すのが相撲の極意であり、若い衆には嫌というほど教え込まれます。日常会話では「あいつは押しが強い」とか「もう少し押してみよう」とかよくいいますが、相撲用語から来たものです。

 同じ土俵に乗るという言葉もよく使われます。これは同じ場所で活動することや同じ立場に立つことをいいます。同意語で「同じ舞台に立つ」ともいいますが、これは歌舞伎等からきた言葉です。ほかにも土俵際ということばも相撲用語が日常会話に取り入れられています。切羽詰まったぎりぎりの状態のなったときによく使う言葉です。

 次は、肩透(かたす)かしです。前に出てくる相手に対して、体を開き肩口をはたき落とす場合の決まり手ですが、日常会話でも「肩透かしを食う」とよくいいます。相手の意表をついて気勢をそぐという意味でよく使われる言葉で、「拍子抜(ひょうしぬ)け」という意味もあります。

 「あの人は変わり身が早い」という言葉がよく使われます。状況を素早く判断し行動する場合等に使われますが、相撲では立ち合いで前に出てくると見せかけてとっさに変化することを指す言葉です。

 仕切り直しという言葉があります。相撲用語で立ち合いの構えを「仕切り」といいますが、制限時間いっぱいの前や、立ち合いの呼吸が合わないときに「待った」してやり直します。この場合を仕切り直しといいます。日常会話では、初めからやり直すときによく使われます。

 独り相撲という言葉もよく耳にします。交通事故等で相手がいない物損事故等の場合「独り相撲だった」といいます。相撲の場合、相手がいるかのような仕草で独りで相撲を取って神に奉納する神事のことです。今も細々ではありますが、この独り相撲というイベントが全国で残っている地域もあります。

 序の口という言葉もあります。序の口とは相撲番付の最下位に位置する地位です。「まだまだ序の口だ。」というように始まったばかりでこれからが本番だという意で使われます。

 他にも脇が甘い、胸を借りるなど、相撲からきた言葉が日常会話として使われているのは、相撲が日本文化に深く溶け込んでいる証拠ではないでしょうか。